新型コロナウイルス感染におけるハイパーサーミア治療中のがん患者様へ

新型コロナウイルス感染症に罹患された患者さまにおかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。

        一般社団法人日本ハイパーサーミア学会理事長 古倉 聡

   新型コロナウイルスの感染が日本国内でも急速に拡大しています。新型コロナウイルス感染で重症化する患者様の特徴として、高齢者や持病をお持ちの方が危険視されています。その観点からは、がん患者様も健常な方に比べると重症化する危険性が高い可能性は否定できません。また、抗がん剤治療や放射線治療を受けておられる方は、感染に対する免疫力が低下している可能性がありますので、厳重な感染対策が必要です。人ごみを避け、手洗いなど一般的な衛生管理が重要となります。

   一方、ハイパーサーミア(温熱療法)は、一般的に免疫力をあげると考えられていますのでこの治療そのものは、新型コロナウイルス感染の可能性を高めることはありませんが、ハイパーサーミア(温熱療法)を受けるための通院時には、十分に注意をしていただく必要があります(3つの密(密閉・密集・密接の場面)を避ける、マスク着用、手洗いなど)。また、体調がすぐれない場合(特に発熱・咳)などは、ハイパーサーミア(温熱療法)を見合わせるなどの配慮もお願いいたします(ハイパーサーミアの主治医とご相談ください)。