ハイパーサーミア(温熱療法)について

ハイパーサーミアとは何ですか?

ハイパーサーミア “hyperthermia”とは温熱療法のことです。狭い意味では癌に対する温熱療法をさしています。通常は40~45℃程度の温度を使った治療を意味していますが、広義的には最近開発されたラジオ波(RF波)やマイクロ波を使ったより高い温度(70℃~)での治療も含まれています。癌治療以外でも前立腺肥大症のような良性疾患の一部でも有効です。
また、近年の研究ではハイパーサーミアにより免疫力がアップしたり、運動能力がアップしたりすることがわかっています。

ラジオ波とは何ですか?

「電波」と言うと普通、ラジオ波のことを意味し、周波数30~300MHz(波長100km~1m)の電磁波のことを指します。
ラジオ波を使ったハイパーサーミアでは、生体を挟む対向する2枚の電極間に電流を流してジュール熱で加温します。ラジオ波は波長が長いためエネルギーの集中性は低いのですが、体奥深くへの加温には適しています。

マイクロ波とは何ですか?

電磁波の一種で、 300MHzから300GHzの波(波長:1mm~1m)のことをマイクロ波とよんでいます。このマイクロ波には、皆さんがお使いの電子レンジや携帯電話の波長が含まれています。
マイクロ波を使ったハイパーサーミアでは、生体内でのマイクロ波のエネルギーが熱に変わる事によって加温します。短波長であるため組織内での減衰が大きく、深部まで加熱は難しいのですが、表在性の腫瘍や食道など体腔内の加温に適しています。